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ささやかな灯りの日々。
2017年 08月 15日 「目を砥ぐと心が休まるのよ」 僕の腹部から顔を出している女が言った。「人間はふつう、目を砥いだりしない」「だからよく物事が見えないのね」 先ほど発言した女の左隣にいる女が、得意げに言う。黒髪でキュートな顔立ちだ。「そうかもしれない」「たまには目ん玉取り出して、硝子みたいに磨いてみたら? ヘボな頭も、少しはマシになるかも」 辛辣な発言をする彼女は、最初に発言した女のすぐ下にいる。ショートカット...
2017年 08月 15日 受話器の向こうで、リズミカルに指を舐める音が聴こえる。 今日も一日ずっと、あなたのことを考えていたよ。今は逢えなくなってしまったあなたのことを。 「怜、今日、すごく熱い。どうしたの」「どうもこうも」「うそ、違うよ、いつもと。目も潤んでるし、唇が溶けそう。今までで一番キレイだ」「見えてないくせに、よく言うよね、そういうこと」 わたしが反論すると彼はこう答えた。「オレには見えるんだよ」 見えて...